チベットは中国に5つある自治区のなかの一つで、チベット族を主とする民族自治区である。チベットを示す漢字表記として名高い西蔵は、中国大陸では、1725年ごろから現在にいたるまで中央チベットとその周辺だけをさす地域呼称として使用され、アムドやカムを含むチベット全域の総称としては使用されていない。日本では明治期から昭和中期にかけて、中華民国や中国国外の華僑等の間では近年、Tibetの訳語として「西蔵」を用いる例がある(→西蔵、西蔵地方参照)。チベット全域をさす漢字表記による総称としては、主として清代に通用した土伯特、唐古特等がある。
★居住地域
主にチベット自治区及び青海省の海北、黄南、海南、果洛、玉樹などいくつかのチベット族自治州と海西モンゴル族チベット族自治州、甘粛省の甘南チベット族自治州と天祝チベット族自治県、四川省の阿ハ?甘孜自治州、及び木里チベット族自治県、雲南省の迪慶チベット族自治州に集住している。
★言語
言語はチベット語族のチベット語を使用し、文字は、7世紀、国王ソンツェンガムポの命によってインドに派遣されたトンミ?サムボータによって作られたという伝承を持つ独自の表音文字(チベット文字)である。
チベット語は、ウーツァン (衛蔵)、カム(康)、アムド(安多) の3種の主要な方言がある。
★宗教
チベット族の人たちのほとんどは、仏教信仰を価値観の中心に据え、高原の支援環境に適応したチベット仏教を信仰している。
チベット仏教には数多くの流派があり、中でも主要な四つの宗派は、ニンマ、サキャ、カギュー、カダムがある 。
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